プロジェクト型業務という新しい働き方
お客様の商材を組み合わせてプロジェクトを増やす
お客様の商材(コンテンツ)と他のお客の商材(コンテンツ)を組み合わせていくことで、何パターンものプロジェクトを作ることができます。地域金融機関の社員さんが関わるお客様の商材(コンテンツ)は無尽蔵にあります。関わる取引先も地域の中にいくらでもあります。
①お客様の商品と商品を組み合わせて、 新しい付加価値を創造する、②お客様の商品と別のお客様の販売先を組み合わせて新しい付加価値を創造する、③お客様の商品を今までに置いていなかった場所に置いて販売するといった、「商品」×「販売先」×「売り場」この3つを組み変えるだけで何パターンものプロジェクトが作れるのです。まだ本当の強みが発見されずに、地域の中で眠っている商品やサービスが多くあるのです。この眠っている商品の強みを地域金融機関の社員さんが、お客様と一緒に発掘できれば、何十、何百、何千通りもの、付加価値創造プロジェクトを立ち上げることができるのです。
これからの社会では、このプロジェクトを立ち上げるための企画力が問われてくる時代になると思います。プロジェクトを企画できる人材をいかに多く、地域金融機関の中で育成できるかが、これから10年間の勝負です。プロジェクトを通じて地域のお客様からの信頼を獲得できれば、地域金融機関の業績を拡大することもできると思います。
プロジェクトに関わっているのは、人である地域金融機関の社員さんなので、何も新しいシステムを入れなければいけないとか、新しい専門人材を入れなければならないということではないのです。お客様の商品やサービスについて、付加価値創造できる商材を見つけて、その強みを明確にして、その商品を持つ取引先とプロジェクトを組んで、新たな販売先を見つけていけば良いのです。
プロジェクトを数多く作るための社内体制を整備し、収益をプロジェクトからもらう、付加価値創造活動からもらうものだという考え方に変更するだけで十分なのです。
従来の地域金融機関は、お客様の事業に対してサポートはしておりました。しかし、そのサポートは無償で提供されるものか、客様の課題に対して課題解決のできる取引先を紹介して、紹介した取引先から紹介料をもらうという位にとどまっていました。そこから発展してプロジェクトをお客様と一緒に起こし、プロジェクトから新たに創造された付加価値から、銀行に収益をもらうという発想に変えるだけで、仕事の仕方は変わるのです。
そうなると、プロジェクトを企画する社員は、新しい付加価値を創造するための企画ばかりを考えるようになってくると思います。そして年数が経つにつれて、組織の中にお客様とのプロジェクトが無数に立ち上がるわけです。この無数に立ち上がったプロジェクトを、DX化し情報管理して効率的に運営していけば、プロジェクト間での新しい組み合わせができはじめ、イノベーションを起こす仕組みが必ず作れると思います。
プロジェクト型業務の導入の提案
そこで、プロジェクト型業務の導入による付加価値創造活動からの、新たな収益源の確立を提案します。地域のお客様は既に抱えている課題もあるし、情報不足からなんとなく将来に不安を抱えて、本来なら今対処しなければならないことでも無意識にやり過ごしている課題もあるのです。この課題に対して、いつも家族同然に付き合っている地域金融機関の社員が課題の発見だけでなく、実際に解決までのプロジェクトを企画して、一緒になって課題解決を遂行することを業務とするのです。課題解決を図ったことによる付加価値創造の金額から一定の割合で地域金融機関に、継続的にプロジェクトの企画・遂行フィーとして銀行に収入をもらうのです。
特に販路拡大については、すべての中小企業で売上を伸ばすということは必ず課題感として持っており、売上拡大に向けたサポートを一緒になって行うのです。このプロジェクトの付加価値創造活動は、誰もが損をしないプラスサムゲームで、地域金融機関、お客様、販売先とも三方良しの仕組みになるのです。
このプロジェクト業務の一つ一つでは収益額は小さいのですが、プロジェクトが10件、50件、100件と増加していけばストック収入が上がってきます。例えば1つの金融機関の中に20人の社員が専属でプロジェクト業務に携わったとして、1人の社員が100件のプロジェクトまでに件数が拡大したとしましょう。そして1プロジェクト当たりの平均年間ストック収入が1件あたり50万円だとしたら、20人 × 100プロジェクト× 50万円で年間10億円のストック収入があるわけです。これは中堅規模の地方銀行の運営性商品の営業収入と同じ水準です。
そしてこれが軌道に乗り、このプロジェクト型業務に携わる人が20人から200人に将来増えたとしましょう。そしたら100億円のストック収入になるわけです。地域金融機関のビジネスモデルを変える新たな仕組みになってくると思います。このプロジェクトに関わるお客様は、このプロジェクト企画をしてくれて、一緒に携わってくれた地域金融機関に対してどのような思いを抱くでしょうか。感謝しかないと思います。地域金融機関のブランド力を上げながら、収益を上げられるという健全なビジネスモデルになるのです。このようなプロジェクト型業務による付加価値創造活動はAIにはできない業務なのです。
地方銀行の事業領域にプロジェクト型の付加価値創造活動を業務に加え、地域金融機関の人材の働き方を変えるだけで、これだけ収益が上がる可能性があるのです。地域金融機関の事業領域を変えるだけで、費用をかけなくてもトライできる価値のあるチャレンジになるのではないでしょうか。